90 年代より,マンガ,アニメなどのメディアコンテンツが,様々な国家間,文化間で広く共有され,消費のみならず,コンテンツをもとに生産活動がなされている.彼らの活動の特徴のひとつは,「野火」のように広がる学習形態にある.野火的な活動とは「分散的でローカルな活動やコミュニティが,野火のように,同時に至る所に形成され,ひろがり,相互につながって行くといったことを伴った活動」(上野,2011)である.このような議論を背景に,本研究では日米の10代から20代のアニメファンの「野火的活動特有の学習」と「贈与と返礼による交換形態」に着目し,彼らの文化的実践をエスノグラフィックに素描した.
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