人間は、他者の表情から、その相手に対する評価やふるまい方を決めたりする。このような能力の発達的な起源を探るため、4か月から14か月までの乳児を対象とした実験的研究をおこなった。結果として、①4か月児は既に、異なる人が表出する同じ表情(e.g.,笑顔)を同じ表情として同定・カテゴライズできること、②生後6か月までには、その人が以前どのような表情を示していたかを手がかりとして、その人物への好悪を決めるようになること、③10か月までには、怒り顔の人は他者を助けないであろう、といった、表情表出者が将来とるであろう行動の内容についても予測するようになっていること、などが明らかになった。
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