吃音は発話流暢性の障害であり,現在まで治療法や原因が不明である.本研究では,自らの発声パラメーターを目視しながらターゲットを追う発声学習を行い,学習が進んだ時点で変換聴覚フィードバックの環境下で再学習を行う実験パラダイムを作成し,聴覚フィードバックの性質を調査した.吃音の原因とされる脳部位は発話に特化しないことから,発話運動と四肢運動の脳活動の共通性を比較する目的で,下肢運動をMRI内で遂行可能な装置を作成した.MRI内における足の動きと脳活動の関係を調べたところ,皮質運動野はより随意的な下肢運動制御に関与し,皮質下の歩行関連領野はより自動的な制御に関与することを示唆していた.
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