複数の感覚信号の統合・分離を脳がどのようにスイッチしているのだろうか?本研究課題では、時間知覚の観点からこの問題を解決することを試みた。まず、空間的一致性が感覚信号の情報統合に影響を与えるという仮説の検証を行い、空間一致性が情報統合に貢献することを示す結果を得た。次に、自己と他者の認識が感覚信号の情報統合の統合に影響を与えるという仮説の検証を試み、触覚と視覚の刺激がともに自己の身体に関連付けられている時に、主観的に同時と感じる確率が上昇する可能性を示す結果を得た。これらの結果を総合して、脳における感覚信号の統合と分離はそれらが単一の信号源から発しているかどうかに依存していることを明らかにした。
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