研究課題/領域番号 |
24650158
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原野 雄一 大阪大学, たんぱく質研究所, 特任准教授 (60456259)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 国際情報交換(ドイツ) |
研究概要 |
分子の形状と水和熱力学量が『Hadwigerの定理』に従うと仮定すると、分子の形状は明確に定義されなければならない。すなわち、系と外界とが厳密に区別される必要がある。しかし、“分子”というミクロスコピックな描像では厳密な境界は物理的に定義できない事は、量子化学が示すところである。そこで、古典論として分子シミュレーションが有効である様に、どのような近似を持って分子形状の定義が妥当であるか検討を行った。溶液中では分子は常に動いていると考えられるため、幾何学的指標は固定された1分子のものでは無く、平均値を用いる必要があることが判明した。分子シミュレーションの援用でその平均量を得る試みを実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分子の形状と水和熱力学量が『Hadwigerの定理』に従うと仮定すると、分子の形状は明確に定義されなければならない。すなわち、系と外界とが厳密に区別される必要がある。この分子形状の定義にに関する詳細な検討が行われた点においては当該年度の計画どおりに研究は進行しているものと思われる。
|
今後の研究の推進方策 |
分子形状の算出にはConnollyのアルゴリズム[M. L. Connolly, Science, 221, 709–713 (1983)]を用いて分子の幾何学的形状を算出している。今後、化学的な発想から構成原子の性質を考慮するため、その幾何学的形状を原子寄与に分割した表式を導出しなければならないので、この点に関して発展させていく必要がある。
|
次年度の研究費の使用計画 |
共同研究者が所属するドイツの大学への出張旅費ならびに、分子シミュレーションの実行など、単純作業に関する研究補助員の雇用費にも当てる予定である。
|