研究課題/領域番号 |
24650158
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原野 雄一 大阪大学, たんぱく質研究所, 准教授 (60456259)
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キーワード | 国際研究者交流(ドイツ) |
研究概要 |
分子論と熱力学を統合した議論は、実験と理論との協奏という観点から蛋白質の構造論において本質的である。特に蛋白質が存在する溶媒環境である水と関連付けるべきであり、その場合、水和熱力学量の算出が必須である。本研究は、従来の統計力学によらず、分子の幾何学的形状と水和熱力学量の関連性を探るものである。水和熱力学量が分子の幾何学的形状を規定する『Hadeigerの定理』に従うと仮定すると、分子の形状は明確に規定されなければならない。熱力学といったマクロな物理量と分子構造といったミクロな量を関連させる場合、どのようなプロセスで結びつけるかを検討する必要があった。実験値と対応付けを実施する場合には、分子シミュレーションから得られた構造集団の平均値を用いる必要がある事が明らかとなった。分子構造と熱力学量を簡単に結びつける近似的手法が開発されたことで、今後は既存の計算手法などとの融合を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果はChem.Phys.Lett.やJ.Comput.Chem.などに掲載されるなど、既に評価を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
分子構造と熱力学量を簡単に結びつける近似的手法が開発されたことで、今後は既存の計算手法との融合を計画している。そのことで、物理創薬に向けた展開を推進する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究が大幅に進展したため、出版費用や研究発表の機会が増えたため、支出を前倒しした。 研究自体はほぼ終了しており、最終年度の支出では学会発表での旅費への支出を予定している。
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