研究課題
本研究課題は、線虫C. elegansの中枢神経系の全てのニューロンの個別の活動を、生きたまま同時にイメージングによって測定し、中枢神経系における情報処理の実体を可視化することを目的としている。本年度は、Ca2+センサータンパク質の改良と、それを用いた神経活動のイメージングおよび、中枢神経系全体のイメージング後の活動の全体像を解析する手法の確立を進めた。1.昨年度に作成したCa2+に対する応答性が異なる性質をもつセンサータンパク質について、蛍光の波長が異なるセンサータンパク質の作成を行った。また、このようなカルシウムセンサータンパク質は、線虫に導入することによって、これまでのセンサーとは異なる活動を鋭敏に測定できることがわかった。2.カルシウムセンサータンパク質と、細胞のマーカーとなる蛍光タンパク質を同時に線虫に発現させ、イメージングを行った。こうして得られた画像に基づき、細胞の位置、移動の補正、個別の神経細胞の分離を行って、神経の活動に変換をした。このとき、個々の画像処理のパラメーターを調整し、最適化を進めた。このようにして得られた個々の神経細胞の活動に基づき、神経活動の相互相関や、クラスタリングの統計処理を施すことによって、同じような活動パターンを示す神経細胞、反対の活動パターンを示す神経細胞などの分類を行った。その結果、かなり多くの神経細胞が、類似の活動パターンを示すことがわかった。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)
Bioinformatics.
巻: 30 ページ: i43-51
DOI: 10.1093/bioinformatics/btu271
生体の科学
巻: 65 ページ: 416-417
http://www.biology.kyushu-u.ac.jp/~bunsiide/