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2013 年度 実施状況報告書

脳傷害誘導性神経幹細胞の血管分化能に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 24650173
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

中込 隆之  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80434950)

キーワード神経再生 / 神経幹細胞 / 脳梗塞 / 血管分化
研究概要

私たちは、脳傷害時に生体内で誘導される自己神経幹細胞の存在に着目し、その単離を試みてきた。その結果、脳梗塞後の成体マウスの大脳皮質(脳梗塞巣)より、ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトの三系統に分化する能力を有する内因性神経幹細胞[脳傷害(虚血)誘導性神経幹細胞; injury/ischemia-induced neural stem/progenitor cells(iNSPCs)]を分離、培養することに成功し、現在までにその特性について明らかにしてきた。
本研究では、この神経幹細胞(iNSPCs)が、血管系の細胞にも分化するかどうかに関して検討した。私たちは、これまでの研究により、iNSPCsがtube-formationを形成する血管系の細胞にも分化し、神経系の遺伝子に加え、様々な血管系関連遺伝子を発現していることを確認している。このことは、iNSPCsが神経系だけでなく、血管系にも分化する幹細胞であることを強く示唆している。iNSPCsは、脳傷害後の修復過程で特異的に出現する幹細胞であるため、この細胞の特性をさらに解明することで、脳傷害後における神経・血管再生機構が明らかになる可能性がある。その意味で、本研究の遂行は非常に大きな意義があるものと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

現在のところ、iNSPCsが神経系のみならず、血管系の細胞にも分化することは、本研究を通して、既に確認済みであり、当初の大きな目標は達成できていると考えられる。
私たちは、iNSPCsの起源が、脳虚血領域に存在する血管周皮細胞 (pericyte) に由来することを既に明らかにしているが、本研究により、iNSPCsが虚血病態下においていかなるメカニズムによって血管周皮細胞から産生され、さらにどのような因子の影響によって神経系や血管系の細胞に分化するのかを明らかにすることもできた。従って、当初の予定よりも順調に実験が進行しているものと考えられる。

今後の研究の推進方策

本研究内容に関しては、近日中に論文として投稿予定である。また、本研究により得られた知見は、学会等にて発表予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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