自閉症など、シナプス成熟異常による疾患を克服する技術を開発する目的で、DREADDシステムを用いてシナプス成熟が促進できるかを試みた。DREADDの一つであるhM3Dqをマウスの大脳皮質II/III層の錐体ニューロンに導入し、CNO投与によりhM3Dqのシグナルを誘導したところ、遺伝子導入ニューロンの棘突起の形態変化から、シナプスの成熟が促進されたことが確認できた。さらに、hM3Dqのシグナルを誘導することにより、シナプス成熟に関与していることが知られているNeurexin-1の細胞内領域のセリンのリン酸化が誘導され、これはPKCの活性化によって引き起こされることを見出した。
|