研究課題
(1)平成25年度には、引き続き自閉症関連分子であるAuts2 (Autism Susceptibility Candidate 2)が神経細胞移動に関与していることについての研究を継続している。Auts2はヒト遺伝学から自閉症およびてんかんに関連があることは示唆されていたが、その分子・生理機能については全くわかっていなかった。ただ、神経細胞の核で働くと信じられていただけである。私は、この遺伝子産物AUTS2がRac1およびCd42を介して細胞骨格系を制御するということ、そして神経突起伸長や神経細胞移動に関わるということを明らかにすることができた。また、このノックウアウトマウス個体において、自閉症様行動や精神発達遅滞様行動を示すことも観察されたため、このマウスをAuts2の異常によって引き起こされる精神疾患の動物モデルとして使えるということが明らかになった。(2)前年度から引き続きRac1およびCdk5のドミナントネガティブ体発現ベクターを胎仔脳の様々な特定の領域に導入しその領域での神経細胞移動を阻害したマウス個体をこれまでに多数作製したが、マウス個体ではてんかん様発作を見ることができなかった。しかし一般的に、マウスは抗てんかん性がラットよりも強いことが知られているため、次にラット個体を用いて同様な実験を行っているところである。
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