研究課題
本研究は、プリオン蛋白遺伝子多型コドン129がMetとValを両方持つ、ヘテロのヒトが孤発性CJDを発病した際に、MV1プリオンは臨床的にMM1プリオンと同等と考えられているが、MV2プリオンにはM2CまたはM2Tプリオンが異常化した可能性、そしてV2プリオンが異常化した可能性が存在することからこれらを正確に鑑別する方法を確立することを目的とした。我が国の剖検例を検索する限り、MV2のほとんどの症例は、V2プリオンが異常化した症例であった。M2Cプリオンのみが異常化したと考えられた症例は1例のみで、genetic formのコドン232変異を有するMV2症例(変異は、Metアレル上)を加えるともう1例増える。M2Tプリオンが異常化したと考えられる症例は存在しなかった。V2プリオンが異常化することによって、Metプリオン蛋白にも感染が成立し異常化が起こる。この異常化はタイプ1と2の中間型分子量を示し、Mi(intermediate)と呼んでいるが、V2プリオンの異常化がみられる症例では必ずMiプリオンが検出された。よってウエスタンブロットでMiプリオンの存在を検出しえた症例は、V2プリオンがあることになりウエスタンブロットが鑑別法として優れていることが明らかとなった。また、組織学的検索のみであるが、V2プリオンが証明された症例の中で、1例のみPerivacuolar PrP depositが認められV2プリオンとM2Cプリオンが混在する症例が明らかとなった。V2プリオンが検出された症例では、M2C病変があろうとなかろうとVV2症例と同じ感染性を示し、MV2症例のほとんどはVV2症例と同様の感染性と考えて良いことが示された。M2Cプリオン症例は、現在感染実験中であるがMM2C症例と同じように感染は成立していない。
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