研究課題
注意欠陥・多動性障害(AD/HD)は主に小児の精神疾患であり多動性、不注意、衝動性を症状の特徴とする発達障害の一つである。AD/HDは主に小児の精神疾患であることから死後脳を含めて神経組織を得られないことが病態解明の大きな妨げとなっていた。AD/HD患者から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作成するにあたり、適切な基準による患者の選定が本研究の推進には重要となる。平成26年度は神戸大学精神科の児童思春期グループの研究者とともに、研究に協力可能なAD/HD患者を選定した。対象にはDSM-IVのAD/HD診断基準に合致し、併存障害が合併していない小児期あるいは成人期の患者とした。特に自閉症スペクトラム症候群との併存については、注意深く対象患者を選定した平成26年度は幹細胞培養の実験設備が整ったことから、iPS細胞応用医学分野の研究グループと連携を始め、本研究課題を推進した。同研究グループが有する最新の技術を導入して健常人およびAD/HD患者からiPS細胞の作成を行った。AD/HDでのドーパミン神経系は腹側被蓋野から側座核や前頭葉皮質に投射する中脳皮質辺縁系が重要な役割を果たしていると考えられている。情動・認知機能と運動調節機能と異なる機能を有する中脳皮質辺縁系と黒質線条体系のドーパミン神経がどのように形成されるのかについては十分に解明されていなかったことから、iPS細胞からの中脳皮質辺縁系と黒質線条体系ドーパミン神経を区別して分化誘導について取り組んだ。
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