研究課題
脳の生後発達過程には、様々な遺伝子やシグナル伝達経路が関与し、それらの遺伝的変異は自閉症や精神発達遅滞といった、小児期の発達障害を引き起こす。申請者は、自閉症関連タンパク質のプロテオミクス解析の中で,Fragile X Mental Retardation Protein 1(FMRP)が、同じく知的障害関連タンパク質DEAF1と複合体を形成し、小児期の発達過程に収束的な分子シグナルが存在する可能性を見いだした。研究目標は、FMRP-DEAF1複合体の機能的重要性を明らかにすることであった。野生型マウスC57Bl/6を用いて、生後発達期のFMR1およびDEAF1の脳内発現パターンを蛍光免疫染色法で観察したところ、 両者の局在性はDEAF1は大脳皮質および海馬ニューロンの細胞体、樹状突起に強く発現してた。マウス脳抽出液を用いた免疫沈降法は、市販の抗DEAF1抗体による抗原濃縮が認められず、中止した。Neuo2A細胞を用いて、内在性Deaf1をノックダウンしたところ、MAP2の安定性が低下するとともに、細胞突起の伸長が抑制されていた。本研究を通じて、DEAF1が生後早期の神経成熟過程に重要な役割を果たすことを示す知見を得ることが出来た。
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