本研究では、ラット脳の海馬からの初代培養神経細胞をシャーレ上にて長期培養し、インビトロでのニューロンの老化様態を観察した。また、神経老化の制御因子、細胞寿命の規定因子を把握することを目的として研究を進めた。これまでに確立した培養条件で、恒常的に5-6ヶ月の長期培養には成功している。以前の予備的研究の中では1年を越えての生存も十分にあったので、また不確定な「条件」があると想定された。その問題点はあるにせよ、培養1ヶ月齢(ほぼ4週齢)のニューロンと培養4-5ヶ月のニューロンとでは老若の比較研究ができるようになった。インビトロで神経老化の研究するための基本的なシステムがほぼできあがったといえる。
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