研究課題
脳の損傷例を対象にした神経心理学研究や、脳の一部を可逆的・不可逆的に障害した実験動物の行動解析は、脳の機能を知るための最も基本的かつ重要な研究手法である。しかし、臨床的にみられるような数ミリ~数センチメートルにおよぶ比較的広範な障害を脳深部に作成することは技術的に困難である。本研究では、がんの治療に用いられているX線定位照射装置(リニアック)を利用して、ヒトと相同の脳をもつマカクザルの脳の特定部位に破壊巣を作成することを試みる。この技術は脳機能を探るツールになるばかりでなく、将来的には脳深部刺激に代わる、侵襲の少ない機能的定位脳手術としての臨床応用につながる可能性も秘めている。最終年度にあたるH25年度は、これまで前頭眼野を中心とした外側前頭連合野への照射を行った3頭の実験を継続し、2頭の実験を終了して脳標本を作製した。3頭に関しては、年度後半で共同利用のMRIが工事のために使用できなくなり、行動データの収集を続けている。個の個体に関しては、H26年4月にMRIが利用できるようになった時点で画像検索し、実験を終了する予定である。行動データの解析もほぼ終了し、現在、論文を作成している。
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