肥大型心筋症アクチン変異E101Kを導入したヒト心筋細胞を用いてSPOC(spontaneous oscillatory contraction)解析を行った。E101K変異導入細胞のSPOC波形は、振幅が小さくわずかな周波数の上昇が見られた。このパラメータ異常が変異アクチンのどのような性質変化に起因するのかを調べるため、E101Kアクチンを単離精製して生化学的性質を調べたところ、フィラメント形成能は正常であるが、ミオシンとの親和性が1/3に減少していることがわかった。これらの結果から、SPOCパラメータはアクチンの性質異常を反映しており、新たな心臓疾患の診断法としての利用が期待できる。
|