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2013 年度 実施状況報告書

単一シナプス前終末の光刺激法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24650218
研究機関同志社大学

研究代表者

坂場 武史  同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (80609511)

キーワードシナプス / 神経科学 / 神経生理学
研究概要

昨年度の時点で、萌芽研究申請の最重点課題である単一シナプス前終末へのアンケイジング法の適用は基本的にクリアした(Trigo et al., 2012)。アンケイジング法は、光で終末を刺激する方法であり、細胞体からケイジド化合物を導入する方法である。ケイジドカルシウムを導入することで、シナプス前終末からの伝達物質放出を強制的におこすことができるようになった。本年度は引き続いて、ポスト側でも伝達物質を局所的にアンケイジングする方法を比較的安価で簡単な装置(スポットアンケイジング)でできることを確認した。これによって、シナプス前終末、後部をタイミングを変えながら刺激操作をすることができ、シナプス可塑性研究を定量的に進めることができると考えられる。
一方で、本年度は培養プルキンエ細胞シナプス前終末にカルシウムアンケイジング法を適用することを試みた。この終末は1から3ミクロン程度の大きさしかないが、直接パッチ電極を使って電気記録をとることが可能になった。これによって、終末から電流を記録したり、膜電位固定をすることができるので、アンケイジング法の妥当性(膜電位などを変化させずに伝達物質放出を惹起できるかどうか)、あるいは膜容量測定法を組み合わせることで、伝達物質放出をシナプス後電流よりも定量的に解析できることができた。現在は必要がないのでアンケイジングの領域を絞っていないが、絞ることによって、シナプス前終末間の性質の違い、ポストシナプス側の標的細胞の違いによる特性の差異、分化に踏み込めるのではないかと思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究課題の重要項目に関しては昨年度、本年度まででほぼ達成し、現在はこの方法の妥当性をより厳密に調べること、さまざまな標本に適用することで、方法を改良、発展させることをおこなっている。具体的には、抑制性神経終末からのパッチクランプを組み合わせている。

今後の研究の推進方策

現在の進捗状況で問題ない。

次年度の研究費の使用計画

実験経費のうち、消耗品をなるべく効率的に使用するよう試みた。また、26年度にこの課題での実験で蛍光プローブの作成など、分子生物学を用いた実験を計画していることから繰り越しするに至った。
本年度、抑制性シナプスの小さな終末でパッチクランプ、分子生物学、アンケイジングを組み合わせた実験を計画しており、消耗品で使い切る予定である。具体的には、イメージングなどの光学的手法における蛍光プローブの購入、作成などによる消耗品の使用のため、本事業の経費が当初予定よりも増加する。これらの状況のもと、基金分、補助金双方、研究計画にそって適切に利用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] "Presynaptic Recordings from an Inhibitory Terminal"2014

    • 著者名/発表者名
      Sakaba T
    • 学会等名
      GRC Cell Biology of the Neuron
    • 発表場所
      Waterville Valley, NH
    • 年月日
      20140622-20140627
    • 招待講演
  • [学会発表] Exo-endocytotic coupling at the calx of Held synapse.

    • 著者名/発表者名
      Sakaba T
    • 学会等名
      ISN Cancun
    • 発表場所
      Cancun Mexico
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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