研究課題
研究代表者は、ミクログリアが社会的意思決定に関与するかもしれないという仮説を解明するために、ミノサイクリンというミクログリア活性化抑制作用を有する抗生物質を用いて、健常成人男性を被験者とする社会心理学的実験を推進してきた。実験ツールとしては、信頼ゲームという金銭取引ゲームを一貫して採用してきた。一連の研究により、ミノサイクリンが欲動の制御に関与する可能性を見出すことが出来た。今年度は、さらに、新たに開発したパソコンによる信頼ゲーム実験タスクを用いて、様々な人物を対象にする信頼ゲームを行ったところ、相手の魅力度や性別によって、投与金額や信頼の程度が異なり、こうしたデータが、ソーシャルネットワークの程度やうつ病尺度の一項目である主観的焦燥感と相関することを見出した(Watabe, Kato et al. PLoS ONE 2015)。ソーシャルネットワークの障害は、社会的引きこもりやいわゆる現代うつ病などの若者において顕著であり、今回の知見は、こうした若者の精神病理を検討する上で有用な資料となりうる。
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