本研究は、マウス胚の胚体内の単一細胞を遺伝子改変する技術を確立することを目的として行われた。この目的で、我々は、全胚培養したマウス胚にフェムト秒レーザーを用いて、バイオナノ粒子の導入を試みた。まず、E9.0 期のマウス胚において、卵黄嚢の表面の血管を避けて、小さな穴を開けた上で、ガラスキャピラリーを通して、バイオナノ粒子を神経管に導入した後に、卵黄嚢の穴を塞ぎ、その上で、フェムト秒レーザーを 400 nJ の強度で照射させた。その結果、マウス胚の単一神経細胞に 10,000 Da 以下のバイオナノ粒子を物理的に導入できることが確認された。
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