研究課題
ヒトの脳神経疾患や高次認知機能の理解には、ヒトに最も近縁かつ動物実験が可能なモデル動物の開発が必要不可欠である。そのモデル開発の端緒としてマカクザル脳機能領野単位の発達オミックス(トランスクリプトーム+メチローム)研究を目標に研究を開始した。マカクザルの発達段階の複数脳領野における遺伝子発現ダイナミクスを解明することにより、マカクザルの脳神経サーキット解明のための方法論の確立と分子基盤の解明を目指すことを目標として、発達段階に応じた6ステージ(生後1日、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、2年(各2個体))の12個体の確保を当初の目標としていた。平成25年度末までに当初の目標である個体数は確保できなかったものの10個体(1日齢4個体、2週齢2個体、1ヶ月齢1個体、6ヶ月齢1個体、1歳齢1個体、2歳齢1個体)の新生児および若齢個体の脳試料の収集が可能となった。そこから12領野に渡るRNAの抽出を行い高速シーケンサーによるトランスクリプトーム解析用ライブラリーの作製(合計120ライブラリー)を行った。作製したトランスクリプトーム用ライブラリーを高速シークエンサー(イルミナ社HiSeq2500)を用いて配列解読を行い、サンプルあたり平均約1500万リードの配列数を、合計120のライブラリー全てにおいて得た。現在、得られた結果の解析を急いでいるが、120ものトランスクリプトームのビックデータのため、解析に時間がかかっている。しかし、得られたデータはこれまでにない規模の霊長類脳発達トランスクリプトームデータであり、今後、マカクザルのモデル動物開発への基礎データを提供できる点において大いに貢献しうると自負している。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (2件)
Molecular Biology and Evolution
巻: in press ページ: in press
BMC Genomics
巻: 15 ページ: 35
10.1186/1471-2164-15-35
Biology Letters
巻: 9 ページ: 20130409
10.1098/rsbl.2013.0409
Journal of Human Genetics
巻: 58 ページ: 446-454
10.1038/jhg.2013.55
http://www.nins.jp/cnsi/download/index.php
https://sites.google.com/site/yasuhirogo/profile