研究課題
有用な疾患モデル動物であるラットの形質責任遺伝子を効率よく同定し表現型形成の分子基盤を解明するため、高効率の体系的ラットゲノム解析システムを整備して実際のモデルラットでの検証までを行うことを目的として、以下の成果を得た。1.改訂されたラットゲノム情報を解析し、Ver.1よりキャプチャーできるexonを増加させたカスタムラットエクソンキャプチャーVer.2を設計し、液相反応タイプとして作製した。さらに、アノーテーション情報も可能な限り改訂を行い、解析可能なexon数を10%増加(約1500の増加)させることができた。2.6系統のラットゲノム解析を行いその多型情報を収集してデータベース上の情報と統合し、多系統の遺伝子多型の情報SNP情報も可能な限り整備した新規の次世代シーケンサー解析パイプラインを構築した。研究期間内に次世代シーケンサーのコストダウンとハイスループット化が進んだことにより、予定していたSNPアレイの作製は行わずシーケンス解析並びに低密度マイクロサテライト解析系に置き換えた。3.Ver,2キャプチャーシステムによるエクソーム解析の検証と表現型責任遺伝子の同定を目的に、モデルラットの解析による実証実験を行った。予定していたIS/Kyo、IS-Tlk/Kyoに代えて、新規に樹立されたモデルラット(未発表データのため詳細省略)とその対照個体を対象にして候補遺伝子変異の同定と絞り込みを行うことに成功した。今後、候補遺伝子群の中から機能解析や多型解析を進めることで、責任遺伝子の同定を図る。上記の成果により、詳細なラットゲノム解析が迅速に可能な解析ツールと情報分析パイプラインの整備が達成され、今後ラットをモデル動物として用いる医科学、生命科学研究への貢献が期待できる。
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