神経冠(堤)に由来する色素細胞・メラノサイトの前駆細胞は高い移動能を持ち、皮膚だけでなくブドウ膜、内耳、心臓、脳、脂肪組織、肺等にも分布する。しかしながら皮膚以外のメラノサイトがどのような役割を果たしているか、多くは不明である。これらを明らかにすることは、メラノサイトの機能進化の解明だけでなく、色素異常に随伴する未知の疾病の発見につながり、また当該動物をヒトの疾患モデル動物として利用することを可能にする。メラノサイトを分化させられないマウスMitfmi-bwアレルを用いた形態学的また組織化学的解析は、ブドウ膜メラノサイトが当該領域の脈管系の構造に関わることを示唆する。
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