研究課題
本年度は、昨年度作製したTgベース染色体異常疾患モデル用遺伝子組換えマウス系統のライン化を行うと共に、Tol2安定発現Tgマウスの選別を行った。レポーター遺伝子の安定発現は、圧倒的にインシュレーター導入ベクター由来系統が優れており、またこの結果からTol2によるlocal hopping後のposition effectを最小限に押さえる意味でもインシュレーター導入ベクターでのモデル動物作製が有用であることが明らかとなった。一方、ESベースでの相同組換えを利用したモデル動物の開発に加え、昨今の目覚ましい発展を見せているゲノム編集技術、CRISPR/Cas システムを用いてLoxP配列をマウスゲノム目的領域への挿入を試みた。その結果、LoxP配列両端にある程度以上の長さのアーム配列を付加する事により目的ゲノム領域に容易に挿入出来る事が明らかになった。今後、これらの実験結果を生かした染色体異常疾患モデルマウスの作製が加速することが期待される。Micro-CTを用いた表現型解析法の確立においては、前年度に検討した固定法、造影法画像化の最適化を継続して行った。更に胎仔発生過程における筋節など特徴的な構造検出を行い、それら検出条件の整理が出来た。染色体異常疾患原因遺伝子同定は、ヒト4番染色体長腕部分重複症 (4q+)モデルマウス(ヒト4q31-34領域に相当する約6.5 Mb、17遺伝子が重複)や遺伝子欠損マウスを用いて行った。その結果、4q+の頭蓋骨、鎖骨抵形成の原因が重複領域に存在する遺伝子の過剰発現が原因ではなく、転写因子2遺伝子間の量的バランス崩壊が表現型発症メカニズムの実態である事を明らかにした。また、4q+、モデルマウスで共通してみられる頭蓋骨、鎖骨抵形成以外の骨関連症状には、別の遺伝子量効果が関与している事が確かめられた。
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DNA Research
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10.1093/dnares/dst059
Current Topics in Developmental Biology
G3: Genes, Genomes, Genetics
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Medical Image Computing and Computer-Assisted Intervention
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