研究実績の概要 |
最終年度は、ファントム(模擬)試料や疾患皮膚試料を用いて1次元・2次元電子スピン共鳴(ESR)イメージングを試みた。この過程で、1次元・2次元ESRイメージングのデータ取り込みソフトの改良も試みた。 ファントムとしては、2,2-Diphenyl-1-picrylhydrazyl (DPPH)、lithium phthalocyanine (LiPC)を用いた実験や身近な試料を用いた様々な予備的実験を試みた。通常のESR測定では、試料中のラジカルの検出を行った。ESRイメージングでは、試料中のラジカル濃度の分布を画像として表すことができた。模擬的なセサミの測定では、ラジカル濃度の分布を画像表示することで、部位別にラジカル濃度の違いがあることが判別できた。 さらに、疾患皮膚の実験では、ガラス板にサンプルを張り付け、プローブとして一鎖型脂肪酸のスピンプローブである 5-doxylstearic acid (5-DSA)を用いて、サンプルに滴下してインキュベートした後で、ESRイメージング測定を行いプローブ濃度の分布が観測され、ラジカルの濃度分布から皮膚構造に関する重要な知見が得ることができた。
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