蛍光タグによる可視化技術は生体の様々な分子機構の解明に寄与してきた。しかし蛍光蛋白は本来、細胞質の分子なので細胞外の酸化的環境では異常な構造をとり、標識する分子本体の正しいモニタリングを妨げる可能性がある。本研究ではこの検討に基づき、酸化的環境でも影響を受けず、立体障害を防ぐために小さなタグの開発を目指した。その結果、GFPファミリーをはじめ、様々な特性をもつ細胞質性蛍光蛋白を、蛍光特性を維持したままで酸化的環境の影響を受けずに機能する一連の自発蛍光蛋白タグに改変することができた。さらに分子量1万程度の小さなFMN依存的蛍光蛋白の徹底的な変異検索により、分泌系で正しく機能する分子を開発した。
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