研究課題/領域番号 |
24650267
|
研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
若山 修一 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (00191726)
|
研究分担者 |
山本 衛 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (00309270)
坂井 建宣 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (10516222)
|
キーワード | 腱 / 微視損傷 / アコースティック・エミッション / AE位置評定 / DIC法によるひずみ分布測定 / 損傷治癒 / ひずみ速度 |
研究概要 |
家兎膝関節から、骨・腱付着部を含む膝蓋腱-膝蓋骨複合体を摘出して供試体とし、生理食塩水中で腱供試体の引張試験を行った。供試体の膝蓋骨部および脛骨部にそれぞれAEセンサを貼付し、生理食塩水からセンサを保護するため、センサごとアルミニウム管内にポリメチルメタクリレート(PMMA)で封止してつかみ部とした。引張試験の際には、2chセンサ間の到達時間差からAE減の位置評定を行った。また、供試体表面にはマーカをスプレーし、マーカ間の相対変位からひずみ分布を算出するデジタル画像相関法(Digital Image Correlation; DIC)を利用して表面のひずみ分布を決定した。 平成25年度(最終年度)には、0.1~100 mm/min.の範囲の引張速度での微視損傷のAE検出を行った。引張速度の増加に伴い、最大荷重は増加した。また、検出されるAE信号の振幅は、高ひずみ速度ほど大きくなる傾向があり、負荷速度が大きいと個々の微視損傷の程度も大きくなることが示された。また、共振周波数の低いセンサ(200 kHz)を使用したところ、かなり多くのAE信号が検出できることもわかった。 研究期間全体では、①膝蓋腱の引張負荷下で生じる微視損傷をAE法で検出可能なこと、②AE位置評定結果とひずみ分布がよく一致し、TEMによる断面観察の結果AE源は線維の破断であること、③損傷を与えた県や損傷からの治癒過程にある腱でもAE信号が検出でき、損傷や治癒の程度をAE信号で判別できる可能性があること、を明らかにできた。また、上述のようなセンサの共振周波数の最適化も行い、今後、腱や靭帯の損傷をAE法で評価するための重要な指針をもえることができた。
|