マウス背部微小循環観察チャンバー法を用い、低酸素環境下と通常酸素環境下における再生組織部位での新生毛細血管数を比較した結果、低酸素環境下のほうが通常酸素よりも新生血管数は多かった。一方、組織再生面積は通常酸素のほうが大きく、再生初期においては組織周囲からの拡散による酸素供給が有効であることが判明した。これは、血管壁での酸素消費が大きく、組織再生初期における過多な血管新生は組織への酸素供給に不利となることが考えられる。そのため再生初期には高酸素環境で、その後再生組織の大きさが周囲からの拡散可能距離を超えてからは低酸素環境に置き毛細血管新生を亢進させることが有効であるのではないかと考えれる。
|