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2012 年度 実施状況報告書

転写因子タンパク質を固定化した新規バイオマテリアルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 24650276
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京工業大学

研究代表者

三重 正和  東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (40334528)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード転写因子 / タンパク質導入 / バイオマテリアル
研究概要

本研究では、組織特異的転写因子タンパク質を固定化した新規細胞外マテリアルの構築を目的とする。はじめに、組織特異的転写因子のモデルとして細胞膜透過能を有することが明らかにされているNeuroD2を細胞の足場となるタンパク質に固定化するために、ヘリックスペプチドを融合したhelixA-NeuroD2を遺伝子工学的に作製した。このhelix Aは、helix B配列とコイルドコイル構造を形成し、ヘテロダイマーを形成することが知られている。ヘリックス配列を融合した転写因子NeuroD2を大腸菌内において発現させたところ、ヘリックスの有無に関わらず発現し、Hisタグを用いて精製することが可能であった。一方、転写因子を固定化する足場タンパク質にhelix B配列を導入した足場タンパク質も遺伝子工学的に構築した。同様に大腸菌を用いて発現させたタンパク質を精製した後、細胞接着能を有するかを検討した。その結果、構築した足場タンパク質は、ヘリックス配列を融合しても細胞接着能を有することが明らかになった。この結果は、国内の学会において口頭発表を行った。
これらの実験と並行して、モーターニューロンあるいはオリゴデンドロサイトへの分化を担う転写因子Olig2の細胞内導入能を評価した。Olig2タンパク質は、大腸菌発現系を用いて発現・精製した。得られたタンパク質を蛍光標識した後、細胞に添加した結果、Olig2にも細胞膜透過能を有することが明らかになった。更には、Olig2タンパク質を胚性腫瘍幹細胞であるp19細胞に添加することによりモーターニューロンへの分化が誘導されることを明らかにした。これらの結果は、国際専門誌において発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究計画においては、ヘリックス融合転写因子タンパク質の特性評価、更には固定化状態での分化誘導までを実施する予定であった。しかしながら、helixA-NeuroD2の構築・発現は順調に進展したものの、精製段階において条件検討に予定以上の期間を要した。そのために研究計画に比べ、大きな遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

今後は、固定化した転写因子による分化能誘導を行い、本研究の基本原理の実証を行う。更には、複数転写因子の固定を行い、高度な分化の誘導を試みる。平成24年度の研究実績より、複数種の転写因子タンパク質の精製条件を決定するのは容易ではないことが予想される。そこで平成25年度は、低圧クロマトグラフィーシステム等を利用し、タンパク質精製に要する時間を減ずるなどの策を講じる。

次年度の研究費の使用計画

研究計画に比べ、helixA-NeuroD2の精製段階において予定以上の期間を要した。そのために、未使用分の研究費が生じた。
未使用額も含めた次年度の研究費は、タンパク質精製の効率化を計るための低圧クロマトグラフィー用プレパックカラムを含む試薬購入等に充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Induction of motor neuron differentiation by transduction of Olig2 protein.2012

    • 著者名/発表者名
      Mie M, Kaneko M, Henmi F, Kobatake E
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: 427 ページ: 531-536

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2012.09.090

    • 査読あり
  • [学会発表] 神経組織再生のためのCNTF融合ECM の構築2013

    • 著者名/発表者名
      金載憲、三重正和、小畠英理
    • 学会等名
      日本化学会第93春季年会
    • 発表場所
      立命館大学(滋賀県)
    • 年月日
      20130322-20130325

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公開日: 2014-07-24  

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