本研究は、細胞分化を制御する組織特異的な転写因子タンパク質を、細胞接着を担う足場タンパク質に固定化した新規細胞外マテリアルの構築を目的とした。はじめに、神経組織特異的な転写因子であるOlig2タンパク質が細胞膜透過能を有することを示した。次に、細胞接着を担う足場タンパク質を遺伝子工学的に作製し、その細胞接着能を評価した。最後に、転写因子タンパク質をコイルドコイル構造を形成するヘリックスペプチドを介して足場タンパク質に固定化し、固定化した転写因子タンパク質が細胞内に導入され、細胞分化を誘導可能であることを示した。
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