研究課題/領域番号 |
24650281
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
朝山 章一郎 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (90315755)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 遺伝子複合体 / 細胞分化誘導 / アルキルイミダゾール末端修飾PEG / DNA一分子修飾 |
研究概要 |
本研究では、「核内タンパク質の翻訳後修飾が遺伝子発現に向けて重要な役割を果たす」という核内コードと呼ばれる核内事象を制御するキャリアと、外来遺伝子を核内へ導入するキャリアを併せたシステムを創製し、細胞の分化・脱分化制御等の再生医療分野で意義深い生命科学基盤技術の確立を目指す。基礎的には、DNA二重らせん溝へのアルキル鎖の巻き付きによる新しい核酸修飾法も提案する。 本研究計画では、DNA二重らせん溝へのアルキル鎖の巻き付きによる新しい核酸修飾法を組み込んだ核内事象を制御する四元遺伝子複合体を創製し、細胞の分化・脱分化制御等の再生医療分野で意義深い生命科学基盤技術の確立を目指す。具体的には以下に示す研究を計画している。(I)DNA二重らせん溝へのアルキル鎖の巻き付きによる核内移行性分子での遺伝子の修飾。(II)核内の細胞分化誘導酵素の活性化を行う核内事象制御キャリアの合成。(III)(I)(II)を組み込んだ四元遺伝子複合体の構築による細胞分化誘導能の評価。 本年度は、DNA二重らせん溝へのアルキル鎖の巻き付きによる新しい核酸修飾に成功した。ポリエチレングリコール(PEG)の分子末端にモノカチオンとしてアルキルイミダゾール基修飾したPEGを合成した。特にブチル化イミダゾール末端修飾PEG(BuIm-PEG)は、粒径約30nmの単分散に近い遺伝子複合体を形成した。BuIm-PEGは分子末端でのみDNAと静電的に相互作用するため、カチオン過剰にならずDNA間の架橋を抑制するDNA一分子修飾に成功した。さらに、得られた遺伝子複合体をマウスの皮内へ局所投与すると、電荷比1において、naked DNAを有意に上回る遺伝子発現が示された。これらの結果は、DNA一分子修飾に基づく微小な粒径が目的組織への拡散性を飛躍的に高めることでin vivoでの高効率な遺伝子発現を導いたことを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、「核内タンパク質の翻訳後修飾が遺伝子発現に向けて重要な役割を果たす」という核内コードと呼ばれる核内事象を制御するキャリアと、外来遺伝子を核内へ導入するキャリアを併せたシステムを創製し、細胞の分化・脱分化制御等の再生医療分野で意義深い生命科学基盤技術の確立を目指す。基礎的には、DNA二重らせん溝へのアルキル鎖の巻き付きによる新しい核酸修飾法も提案する。 本研究計画では、DNA二重らせん溝へのアルキル鎖の巻き付きによる新しい核酸修飾法を組み込んだ核内事象を制御する四元遺伝子複合体を創製し、細胞の分化・脱分化制御等の再生医療分野で意義深い生命科学基盤技術の確立を目指す。具体的には以下に示す研究を計画している。(I)DNA二重らせん溝へのアルキル鎖の巻き付きによる核内移行性分子での遺伝子の修飾。(II)核内の細胞分化誘導酵素の活性化を行う核内事象制御キャリアの合成。(III)(I)(II)を組み込んだ四元遺伝子複合体の構築による細胞分化誘導能の評価。 本年度は、上記研究計画の(I)を達成し、(II)をおおむね達成したため。つまり、DNA二重らせん溝へのアルキル鎖の巻き付きによる新しい核酸修飾に成功した。そして、得られた核酸/キャリア複合体を用い、in vivo実験による遺伝子発現が得られたので、初代培養細胞への遺伝子導入に成功したと考えられる。すなわち、培養細胞株と異なり、核膜の保存されている初代培養細胞での遺伝子発現は、核膜を通過しての遺伝子送達の成功を示唆しており、核内の細胞分化誘導酵素の活性化を行う核内事象制御キャリアの合成に成功したと考えられることが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、「核内タンパク質の翻訳後修飾が遺伝子発現に向けて重要な役割を果たす」という核内コードと呼ばれる核内事象を制御するキャリアと、外来遺伝子を核内へ導入するキャリアを併せたシステムを創製し、細胞の分化・脱分化制御等の再生医療分野で意義深い生命科学基盤技術の確立を目指す。基礎的には、DNA二重らせん溝へのアルキル鎖の巻き付きによる新しい核酸修飾法も提案する。 本研究計画では、DNA二重らせん溝へのアルキル鎖の巻き付きによる新しい核酸修飾法を組み込んだ核内事象を制御する四元遺伝子複合体を創製し、細胞の分化・脱分化制御等の再生医療分野で意義深い生命科学基盤技術の確立を目指す。具体的には以下に示す研究を計画している。(I)DNA二重らせん溝へのアルキル鎖の巻き付きによる核内移行性分子での遺伝子の修飾。(II)核内の細胞分化誘導酵素の活性化を行う核内事象制御キャリアの合成。(III)(I)(II)を組み込んだ四元遺伝子複合体の構築による細胞分化誘導能の評価。 本年度までに、上記研究計画の(I)を達成し、(II)をおおむね達成したため、(III)の細胞分化誘導実験に着手していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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