本研究は、イオントフォレシスとナノ粒子を組み合わせ、非侵襲的に皮膚表皮層に抗原ペプチドを送達しランゲルハンス細胞に取り込ませることによる抗がん免疫療法システムの確立を目的とした。その結果、正電荷PEG化ナノゲル表面にヒトメラノーマ抗原ペプチドhgp100(25-33)を結合させ、マウス皮膚上でイオントフォレシスに供することで、皮膚表層領域への抗原送達に成功した。また、抗原ペプチド/ナノゲル複合体のイオントフォレシスにより皮内ランゲルハンス細胞の活性化に成功した。さらに、メラノーマ移植マウス皮膚への抗原ペプチド/ナノゲル複合体のイオントフォレシスにより、有意な腫瘍成長抑制に成功した。
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