研究課題/領域番号 |
24650288
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
辻田 哲平 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40554473)
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研究分担者 |
内山 勝 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30125504)
姜 欣 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30451537)
安孫子 聡子 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40560660)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 手術計画 / 脳神経外科 / 最適化 |
研究実績の概要 |
脳神経外科手術において,脳深部に病変がある状況においては,脳ベラと呼ばれる手術機械によって脳裂を圧排することで深部に到達する手技が広く用いられている.いかに術野(医師の視界)を確保し,正常な神経細胞等の脳組織に損傷を与えずに病変に到達できるかどうかは経験豊かな医師と新米医師で異なり,予後の経過に大きな違いをもたらす.そこで,この脳裂圧排手技を最適化問題として定式化し,最適な圧排方法を医師に提示することができるソフトウエアを開発した.脳裂を圧排する際の脳ベラの位置・姿勢を決定変数として,脳組織の損傷を回避するために脳実質にかかる応力が閾値以下となるように拘束条件を設定し,病変部が出来る限り大きく見えるように決定変数を求めるアルゴリズムを提案した. MathWorks社製数値解析ソフトウエアMatlabの大域的最適化ツールボックスであるGlobal Optimization Toolboxにて決定変数を指定し,この決定変数に基づき独自に開発したFEM (Finite Element Method)プログラムを用いて,脳ベラによる脳の圧排に伴う組織の変形や応力を求め,この計算結果をGlobal Optimization Toolboxに返すといったことが可能なフレームワークを実装した.これにより,脳に過大な負荷をかけず,出来る限り大きく病変を観察できる脳ベラの設置方法を自動的に算出することが可能となった.また,大域的最適化ソルバであるPattern SearchとGenetic Algorithmなどを複数の最適化アルゴリズムを試行し,術野確保問題における各ソルバの特徴を明らかにした.
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