腫瘍の触診、粘膜下腫瘍の存在診断を可能とする医用内視鏡に搭載可能な光音響分分光法(photoacoustic spectroscopy; PAS)に基づく検出器を開発した。試作した検出器の実質的な寸法がφ5.8mm×5.3mmであり、先端の直径が9mm程度である汎用的な医用内視鏡に搭載可能である。試作器を用いて、共振周波数に基づく試料のヤング率の推定手法は、腫瘍組織を判別する分化能を有し、二層生体モデルによる試作器の測定可能深さは、胃壁の厚さと同じ5mmに達し、深さ方向分解能は±0.25mmであった。PASによる内視鏡的機能診断の可能性を示した。試作器の嗅覚センサとしての性能評価を行っている。
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