微小流路(内径25um)を用い、赤血球凝集など異常な赤血球の流動現象の特徴、特に管壁近傍の血漿層の厚さ(cell free layer, CFL)を定量化した。高分子量デキストラン添加によって赤血球凝集モデルを作成した。凝集度の増大につれ、CFLは増大し、赤血球が管壁に接触する頻度も低下した。血管内皮への赤血球の接触は、血管壁に強い剪断応力を与えるので、凝集亢進は、NO産生にも影響する可能性がある。CFLの増大は、内皮由来NOの捕捉を低減させる方向に働くことも考えられる。赤血球から血管壁への酸素輸送は、CFL増大により低減されることが予想される。人工赤血球の共存の効果についても考察した。
|