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2012 年度 実施状況報告書

開腹手術映像の知的アーカイブ

研究課題

研究課題/領域番号 24650302
研究機関愛知工業大学

研究代表者

末永 康仁  愛知工業大学, 情報科学部, 教授 (60293643)

研究分担者 北坂 孝幸  愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (00362294)
森 健策  名古屋大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10293664)
澤野 弘明  愛知工業大学, 情報科学部, 講師 (10609431)
水野 慎士  愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (20314099)
三澤 一成  愛知県がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (70538438)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード医療情報システム / 開腹手術 / 映像アーカイブ
研究概要

本研究の目的は,画像処理技術に基づく手術映像の高解像度化,自由視点映像の再構成,シーン解析により開腹手術映像を知的にアーカイブすることである.本年度は以下の研究を行った.
「1.複数カメラからの映像再構成アルゴリズムの開発」 無影灯に見立てた位置に複数カメラを設置し,自由視点映像再構成法について検討した.本年度は,基礎研究として2台の深度センサ付きのRGB-Dカメラを用いて,術野映像の3次元再構成アルゴリズムを開発した.人体模型での実験では比較的良好に自由視点映像を生成できたが,実際の人間(ボランティア)に対する実験では,複数カメラ映像間の特徴点対応付けの精度が低下し,さらなる改良が必要であることが分かった.
「2.カメラ配置の検討」 手術室は様々な機材が配置されているため,術者や助手の施術を妨げないようなカメラ配置に注意しなければならない.実際の手術室にて,このような制約の中で配置可能なパターンを検討した.配置可能なカメラは,無影燈に小型カメラ4機,手術台周りに4機,メガネ型カメラ2機が妥当であることが分かった.
「3.手術室を模した実験環境による評価実験」 手術室の環境に近い実験環境を構築し,開発した自由視点映像生成アルゴリズムの基礎能力を評価した.手術台を模したテーブルに,人体模型と2台のカメラを配置し,術や映像の3次元再構成を行った.実験の結果,比較的良好に術野を再構成することができることを確認した.しかし,実際の人体に対する実験では,部分的に欠損が発生した.これは,複数映像間の特徴点の対応付けが不十分であることに起因している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は主に複数カメラからの再構成アルゴリズムとカメラ配置について検討した.基礎研究として2台の深度センサ付きのRGB-Dカメラを用いて,術野映像の3次元再構成アルゴリズムを開発した.人体模型での実験では比較的良好に自由視点映像を生成できた.しかし,実際の人間(ボランティア)に対する実験では,複数カメラ映像間の特徴点対応付けの精度が低下し,さらなる改良が必要であることが分かった.また,カメラ台数を増やした時のキャリブレーション法の検討,固定カメラだけではなく頭に装着するメガネ型カメラのトラッキングおよび自動キャリブレーションによる校正精度の維持方法,といった解決すべき課題が明らかになった.
手術室という制約条件の多い場所でのカメラ配置に関する検討においては,術者や助手の施術を妨げないようなカメラ配置に注意し,配置可能なパターンを検討した.配置可能なカメラは,無影燈に小型カメラ4機,手術台周りに4機,メガネ型カメラ2機が妥当であることが分かった.また,術者や助手の腕に装着可能なウェアラブルカメラも実用化され始めており,撮影環境の柔軟性が広がっている.また,シーン解析による自動インデキシング,ワークフロー解析という課題も有る.
以上のように,解決すべき課題が次々と明らかになり,将来の発展が期待できる研究課題である.

今後の研究の推進方策

次年度は,自由視点映像合成に関する基礎検討と実際の手術室での評価実験を行う予定である.
自由視点映像合成に関して,3台以上の固定カメラからの再構成アルゴリズムの検討をはじめ,頭に付けるメガネ型カメラや腕に付ける超小型軽量カメラのトラッキングおよび自動キャリブレーションによる校正精度の維持方法について検討し,それらの課題を明らかにする.
また,研究室で検討したカメラ配置で,手術を模した動作を撮影して開発したアルゴリズムの性能評価を行い,改善すべき箇所を洗い出す.また,開腹手術では術者や助手の手で術野が見えないことがあり,臓器等を持ち上げたときに重要となる術野を覗き込んだ映像の取得方法として,術野から30 センチ程度の近距離で術中操作の妨げにならない位置に滅菌ドレープ(滅菌状態を維持するためのビニル製の袋)で覆ったカメラを設置することを検討する.
その後,実際の臨床(愛知県がんセンター)における実験環境を整え,人体模型および実人体(健常ボランティア)に対する評価実験を行う.手術映像の撮影の許可が当該施設の倫理委員会より得られたなら,実際の手術映像を撮影し,アルゴリズムの精度評価を行う.
また,手術映像からのシーン解析について,映像分析に有効な画像特徴量および識別方法に関する検討を進め,ワークフローの自動解析によるインデキシングのアルゴリズム開発を行う.

次年度の研究費の使用計画

無影燈に設置可能な小型・軽量カメラ4台の購入として30万円を,手術室に持ち込み可能な可搬型高性能PCの購入として40万円を見込む.
国内外での研究成果の発表に関わる経費として60万円を見込む.
その他の消耗品,印刷費等として25万円を見込む.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] RGB-Dカメラを用いた開腹手術映像の三次元復元に関する基礎検討2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤綾亮,堀場一輝,水野慎士,北坂孝幸,末永康仁,三澤一成,森健策,澤野弘明
    • 学会等名
      電子情報通信学会総合大会2013,学生ポスターセッション,ISS-SP-387
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      20130319-20130319

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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