研究課題/領域番号 |
24650302
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
末永 康仁 愛知工業大学, 情報科学部, 教授 (60293643)
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研究分担者 |
北坂 孝幸 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (00362294)
森 健策 名古屋大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10293664)
澤野 弘明 愛知工業大学, 情報科学部, 講師 (10609431)
水野 慎士 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (20314099)
三澤 一成 愛知県がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (70538438)
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キーワード | 医療情報システム / 開腹手術 / 映像アーカイブ |
研究概要 |
本研究の目的は、画像処理技術により手術映像を高解像度化するとともに、自由視点映像を再構成し、シーン解析による開腹手術映像の知的アーカイブを行うことである。 本年度は以下の研究を行った. 「1.複数カメラからの映像再構成アルゴリズムの開発」 手術映像のアーカイブにおいて,術者が注視している箇所を選択的に表示する機能は重要である.そこで,昨年度に開発した複数の固定カメラ映像から3次元再構成した術野映像に,術者視点映像を合成する手法について検討した.術者視点映像としてメガネ型カメラを利用した.術者の頭部にメガネ型カメラを設置し,術者の注視箇所を撮影した映像と固定カメラから得られる映像の合成を試みた.ボランティアによる実験の結果,メガネ型カメラを併用することで術野の死角が減少したことに加えて,注視箇所を鮮明な映像として合成できることを確認した. 「2.遮蔽物除去手法の開発」 手術映像には術者の手や術具が写り込み,術野に死角が発生することがある.このような死角を画像処理技術により取り除くことが望まれる.手や術具は動くため,画像処理によりその検知は可能である.そこで複数のカメラ映像から遮蔽物を動物体として認識し,動物体領域の映像を動物体が映っていない映像(他のカメラから得られる)に置き換えることで死角を除去する手法を開発した.2台の固定カメラ映像に対する実験の結果,遮蔽物を除去した映像を合成できることを確認した. 「3.手術室を模した実験環境による評価実験」 人体を模した人体模型と手術台を模したテーブルのまわりにカメラを配置し,手術室の環境に近い実験環境を構築し評価実験を行った.実験の結果,概ね良好に動作することを確認した.今後は病院の倫理委員会の了承を取り,カメラ等の機材の滅菌方法などを検討し,臨床での運用に臨む予定である.
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