研究課題/領域番号 |
24650305
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 修 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00361072)
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研究分担者 |
森 信芳 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50463790)
上月 正博 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70234698)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 内科 / 肝臓 / 脂質 / 肥満 |
研究概要 |
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は肥満人口の増加に伴って罹患率が増加しているが、薬物療法を含めて有効な治療介入の報告は少ない。本研究では、NAFLDに対して運動療法・食事療法・栄養指導・日常生活指導による包括的リハビリテーションを行い、その効果を検討した。肝病理診断と画像診断によりNAFLDと診断された症例に対して、4週間程度の入院の上、運動療法・食事療法・栄養指導・日常生活指導による包括的リハビリテーションを行った。食事療法としては、1日あたり標準体重(kg)×25kcal/kg の総カロリー食に制限し、嫌気性代謝閾値(AT)レベルで自転車エルゴメータや水中トレッドミルを週5回施行した。平成24年度の症例は6名、性別は男性3名と女性3名であった。5名に入院型包括的リハビリテーションを実施し、1名は外来通院で指導のみを行った。介入前血清トランスアミナーゼ値はAST 79U/L、ALT 102IU/Lであった。入院型包括的リハビリテーションに有害事象はなく、減量に伴って血糖や脂質のコントロールは改善し、血清トランスアミナーゼ値はAST 40U/L、ALT 43IU/Lと改善が認められた。一方、外来通院型の症例は、肥満、血糖・脂質異常は元々ないものの、血清トランスアミナーゼ値は介入前ではAST 85/L、ALT 81IU/L、介入後ではAST 83U/L、ALT 74IU/Lと改善が認められなかった。以上の結果から、NAFLDへの包括的リハビリテーションの有効性が示唆されると共に、外来型に比べて入院型の治療がより効果的であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
5症例において、入院型包括的リハビリテーション実施の効果を明らかにする事が出来たが、当初目標としていた年間10症例のエントリーには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度と同様に、NAFLDに対して運動療法・食事療法・栄養指導・日常生活指導による包括的リハビリテーションを行い、その効果を検討する。介入症例を増やすとともに、入院型包括的リハビリテーションを実施した症例と外来通院で指導のみ行った症例の効果の差異について明らかにしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額とあわせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。
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