研究課題/領域番号 |
24650309
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田中 正二 金沢大学, 保健学系, 助教 (70422657)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 脱神経筋 / ストレッチ |
研究概要 |
末梢神経損傷後の筋萎縮抑制はリハビリテーション医学分野において重要な課題の一つである。脱神経筋に対するストレッチの効果を検討した。 本年度は、ラット脱神経筋に対するストレッチの効果を調査するため、脱神経モデルラットの脱神経筋に対して膝関節伸展位での足関節背屈運動(ストレッチ)を3週間実施した。筋萎縮抑制効果の指標として筋湿重量、筋線維横断面積、Atrogin-1 mRNA、MuRF1 mRNA、Myostatin mRNA発現量、アポトーシスの指標としてTUNEL陽性細胞数を検討した。 その結果、腓腹筋筋湿重量はストレッチを加えたことで、加えなかった群に比べてやや高値を示した。これに対して、ヒラメ筋筋湿重量は、ストレッチを加えた群では、加えなかった群に比べて低値を示した。次に腓腹筋の筋線維横断面積、mRNA発現解析、免疫染色を実施した。筋線維横断面積はストレッチを加えることで加えない群に対して高い値を示したが、その差は有意ではなかった。また、Atrogin-1、MuRF1、Myostatin mRNA発現量は、ストレッチによって変化しなかった。TUNEL陽性細胞数についても検討したが、明らかな差は認められなかった。 今回、ストレッチ群のヒラメ筋筋湿重量が減少していることから、ストレッチ群には介入時の麻酔や運動抑制等のストレスが加わることで、介入効果が減少した可能性が考えられた。また、今回、二関節筋である腓腹筋に対するストレッチを実施したが、先行研究による脱神経筋に対するストレッチの筋萎縮抑制効果については、ヒラメ筋の報告が多く、線線維タイプによる影響も考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
脱神経筋に対するストレッチの効果が十分ではなく、ストレッチの方法や時間等の実験方法や対照となるグループの運動量を調整する等の再検討が必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
脱神経後に介入を加える動物と加えない動物の運動量を調整するため、拘束時間、麻酔時間等を厳密に調整して実験を行う。まずは、脱神経後の筋萎縮、アポトーシス、線維化の経時的変化を検討し、次に脱神経筋に対するストレッチの短時間効果を検討する。結果によって、長期的な介入効果を検討し直す。効果が得られれば、さらに薬剤投与の効果を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験動物、遺伝子抽出試薬、遺伝子解析試薬、アポトーシス検出試薬、組織染色試薬とそれらに関連する消耗品を購入する。また、解析機器使用料や学会参加費が必要である。
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