本研究は,通常行われているセラピストとこどもとの1対1での理学療法に加え,移動能力が相対的に異なる児同士の組み合わせを作り,お互いに遊ぶ場を設定することで,相対的に移動能力の低い児側が模倣行動を通してより高い移動能力を発揮することができるかどうかを定量的に検討することを目的とした. 本研究の結果より,対象児が模倣行動を通してより高い移動能力を発揮するとは言えない可能性が示された.この理由は,対象児の他人との関わりに個人差があったことや,対象児の人数が不足していたことが考えられた.しかし,模倣行動の前段階となる相手の行動観察に関しては有意に長い時間がかけられていたことが分かった.
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