研究課題/領域番号 |
24650315
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
弓削 類 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (20263676)
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研究分担者 |
田中 英一郎 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (10369952)
池原 忠明 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (60369949)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ニューロリハビリテーション / 歩行支援ロボット / 歩行 / ニューロサイエンス |
研究概要 |
最近,脳血管障害や外傷などで障害を受けた脳や脊髄の回復を促進させるために,「免荷式トレッドミル」を使用して歩行動作の支援を行うニューロリハビリテーション (以下,ニューロリハ) が臨床的に試みられている.このリハビリテーション (以下,リハ) を施行する場合,免荷の為にトレッドミルの外には出せないことから時間的,空間的な制限があり,受動的な歩行をしている事から効果判定方法も含め検討の余地がある.本研究では,我々が開発中の「モビルスーツ型歩行支援ロボット」の歩行パターンの最適化を図り,そのリハの効果を,ニューロサイエンスの手法を基に検証する.本研究で得られる「歩行」の脳内の神経活動や運動性理学的データの研究成果を通じて,ニューロサイエンスに基づいた新規ニューロリハの確立を行う. 足指,つま先が上がって転倒しないよう,足を固定せずに足裏から持ち上げるように足底板が追従して歩行補助する手法を提案する.足裏の圧力変動にて歩行位相を検知し,地面の傾斜を傾斜センサにて検知し,歩行軌道を補正し,弾性リンクの変形量から方向転換を検知し,超音波式非接触距離センサを用いて段差との衝突を回避する等の方法を確立する.脊髄損傷等の両側の歩行支援を行う両麻痺患者用のロボットの開発を進めた.片側のロボットだけで構築が可能な片麻痺患者用のロボットで,健常成人を被験者としたデータ収集を行い,ロボット装着による筋活動の変化および歩行プログラムの検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歩行支援ロボットの制御に欠かせない歩行プログラムの検討を行い,ソフト面での改善点などが明らかになった.ハード面でも基本構造はできており,患者さんにも試用して頂けるよう開発を進めたい.
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今後の研究の推進方策 |
ハード面では耐久性向上や軽量化を行い,患者さんに試用して頂けるレベルまで開発を進める.ソフト面では,健常成人で得られた課題をクリアし完成をめざす. 中枢神経系障害の患者様に「下肢歩行支援ロボット」をニューロサイエンスの側面で評価を行うことを目的に,「下肢歩行支援ロボット」を使用した時の脳活動を近赤外分光法と脳磁図を用いて測定し,脳神経科学的に評価する.同時にVICONを使った動作解析と筋電図による解析も行う.H25年度は,先ず,健常人を対象に通常歩行時と「下肢歩行支援ロボット」使用時に近赤外分光法を用いてニューロサイエンス的に,動作解析と筋電図を用いて運動生理学的に解析し評価する.最終年度(来年度)は,中枢神経系障害である脊髄損傷患者や脳血管障害患者を対象に動作解析とニューロサイエンス的に解析・評価したいと考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,健常人を対象に通常歩行時と「下肢歩行支援ロボット」使用時に近赤外分光法を用いてニューロサイエンス的に,動作解析と筋電図を用いて運動生理学的に解析し評価する.物品費として,筋電図測定に必要な電極やその他消耗品604,396円およびロボット部品代等150,000円(分担金),学会参加等の旅費として150,000円,ロボット運搬などその他経費として100,000円を予定している.
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