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2012 年度 実施状況報告書

脳機能再生のための脳由来神経栄養因子産生を促進する運動負荷方法の探索

研究課題

研究課題/領域番号 24650322
研究機関札幌医科大学

研究代表者

金子 文成  札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (00344200)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードリハビリテーション / 電気刺激 / 神経科学 / 神経栄養因子 / 運動
研究概要

脳由来神経栄養因子(BDNF)は,神経細胞の発生や成長,維持,修復に働き,学習や記憶,さらには糖代謝などにおいても重要な働きをする。近年,運動によって大脳皮質や海馬でBDNFが産生され,循環血液中に放出されることが明らかとなってきた。当該研究は,BDNFを,より効率的に産生させるための運動負荷方法を探索するための,挑戦的研究である。ヒトを対象として,いくつかの異なる方法を用いた運動負荷を実施する。運動負荷前後の血清BDNFを計測し,運動負荷の種類と,その後の血中に存在するBDNF量との関係を解析するためのデータを得る。
平成24年度は,運動負荷方法を中心とした実験条件に関する検討を行った。被験者は,健康な成人とした。安楽な椅子に坐位となり,大腿四頭筋の適切な部位に神経筋電気刺激装置の電極を貼付した。また,膝関節運動の角度を経時的に計測するために,電気角度計を大腿部および下腿部に装着した。本研究の主要な目的である随意的運動を実施した場合と,同様の運動負荷強度で筋収縮のみを実施した場合との2種類の課題を実施するための様々な環境設定を試み,予備的実験を反復した。神経筋電気刺激中に,筋出力を増加させるために,等尺性最大随意筋力(MVC)に対して相対的な値で,どの程度の運動負荷が可能かを検討した結果,MVCの10%程度が負荷を与えることが可能であることがわかった。さらに,関節運動範囲の検討をした結果から,膝関節屈曲100度から30度程度の範囲で,運動可能であった。これらの条件下で,神経筋電気刺激を実施した場合に,全身運動強度としては2METs程度の運動となることが示された。また,その前後で血中乳酸濃度の計測を行い,神経筋電気刺激により上昇することが明らかになった。これらの結果から,平成25年度に行なう本実験の条件を確定することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り,想定していた実験条件,環境が適切かどうかを十分に確認するための予備的実験を反復した。それにより,実験条件と環境を整えることができ,本実験を開始した点においては順調に進んでいる。さらに,当初計画していなかった物質の分析も追加して行うように準備することができたため,順調に進んでいるといえる。ただし,本実験を開始してからの例数が少なく,第一段階として到達したいレベルよりもやや前段階で留まってしまっていることから,区分を②とした。

今後の研究の推進方策

平成25年度は,平成24年度に確立した方法にしたがって実験を継続する。適切なサンプル数が収集できた時点で分析結果を行ない,方法の微修正も検討しながら進めていく。
被験者は自覚的にストレスを感じない安静坐位姿勢で椅子をリクライニングさせる。下腿遠位部に重りにつながったワイヤを装着させ,負荷を加えた状態で神経筋電気刺激を実施して膝関節の伸展と屈曲を反復する条件,あるいは随意的に膝関節の伸展と屈曲を反復する条件を実施する。この時の呼吸代謝データを記録すると共に,採血した血液を分析する。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度の使用計画について。
物品費は,実験および血液の解析に必要な消耗品を中心に購入する。旅費は,学会参加と研究打ち合わせのために使用する。人件費は,実験補助の非常勤雇用費および被験者費の支払いで使用する。その他,では論文の英文校正などの料金を含む。
費目別の支出予定は以下の通である。
物品費:446,081 旅費:200,000 人件費・謝金:500,000 その他:100,000

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 運動・感覚イメージとニューロンリハビリテーション2012

    • 著者名/発表者名
      金子文成
    • 学会等名
      第42回日本臨床神経生理学会学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121108-20121110
    • 招待講演
  • [学会発表] Time couse changes of trunk muscle activities during sitting in a stable or unstable position2012

    • 著者名/発表者名
      Hayami, T., Kaneko, F., et. al.
    • 学会等名
      19th Congress of the International Society of Electrophysiology & Kinesiology
    • 発表場所
      Brisbane, Australia
    • 年月日
      20120719-20120721
  • [学会発表] The methodological study on the sciatic nerve stimulation by means of transcutaneous magnetic stimulation2012

    • 著者名/発表者名
      Aoki, N., Kaneko, F., et. al.
    • 学会等名
      19th Congress of the International Society of Electrophysiology & Kinesiology
    • 発表場所
      Brisbane, Australia
    • 年月日
      20120719-20120721
  • [学会発表] 練習休止期間中のメンタルプラクティスが未経験運動の短期的効果の維持に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      岡和田愛実,金子文成, 他
    • 学会等名
      第47回日本理学療法学術大会
    • 発表場所
      兵庫
    • 年月日
      20120525-20120527
  • [学会発表] 神経筋電気刺激の最大刺激強度と漸増時間が筋収縮による関節トルクに及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      榊善成,金子文成,他
    • 学会等名
      第47回日本理学療法学術大会
    • 発表場所
      兵庫
    • 年月日
      20120525-20120527
  • [備考] 研究室ホームページ:

    • URL

      http://web.sapmed.ac.jp/sms_sns/SMS_SNS_f_kaneko_lab_site/Welcome.html

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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