ストレッチングは運動強度が高くないため,主に準備運動として扱われているが,交感神経活動抑制効果があり,心臓の後負荷軽減効果が期待される.特に血管スティッフネスが増加した高齢者には有用な運動と考えられるが後負荷を実際に計測している報告はない.実効大動脈エラスタンス(Ea)は末梢血管抵抗と動脈のスティッフネスを統合したもので,後負荷評価に有用な指標である.本研究ではEaを非侵襲的に計測し、高齢者におけるストレッチングが後負荷に及ぼす効果を評価した.その結果,日常運動量が少ない中高年においてEaの改善を認めた.以上より運動量の少ない高齢者には積極的にストレッチング療法を行うことが有用である.
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