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2012 年度 実績報告書

脂肪摂取は筋損傷の回復因子となりうるか:ケトン食による介入の試み

研究課題

研究課題/領域番号 24650334
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

掛橋 千彰  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究技術員 (80535683)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2013-03-31
キーワードケトン体 / 骨格筋 / 筋再生 / 筋機能 / 固有筋力
研究概要

ケトン食とは、摂取カロリーの約90%が脂肪、残りがタンパク質とごく微量の炭水化物からなる食事のことである。このような食事により、身体の主エネルギー源はケトン体(ベータヒドロキシ酪酸およびアセト酢酸)となる。最近、動物をケトン食で飼育すると、実験的な感染による末梢組織の炎症反応を低減させることを報告している。我々の活動性を担う骨格筋は、損傷~回復を繰り返すことによって肥大し、筋出力を増大させるが、損傷~回復期には一時的に筋力の低下や痛みを生じる。この筋損傷の回復には、損傷部位における炎症反応が関係していることが知られているが、過剰な炎症反応は筋の二次的損傷を引き起こし、筋出力を低下させる。また、炎症が激しいほど、筋の損傷からの回復は遅延する可能性が示唆されている。本研究の目的は、ケトン食が、筋損傷に伴う過剰な炎症を抑制することで筋損傷からの回復を促進する、との仮説を、動物の筋損傷モデルにおける筋再生の指標および筋機能の評価に基づき検討することであった。
ラットヒラメ筋(遅筋)に麻酔下でカルディオトキシン注入による薬理学的筋損傷を引き起こした直後より、ケトン食による飼育を開始した。その後の回復を2週間および4週間で普通食群と比較評価した。主たる評価項目は、相対的な筋重量およびヘマトキシリンエオジン染色による中心核線維の割合と線維面積、また、固有張力であった。なお、両群間におけるカロリー摂取量は同等であった。その結果、いずれの項目においても、各評価時期において普通食飼育群と比較して差はなく、少なくとも、ケトン食が筋損傷からの回復を遅延させることはないことが示唆された。一方、体重変化においては、ケトン食飼育後1週目よりすでに増加が抑えられる傾向にあったことは興味深い事実であり、ケトン食摂取によりカロリー制限をすることなく体重増加を抑制できることが示唆された。

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公開日: 2014-07-24  

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