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2012 年度 実施状況報告書

経頭蓋直流電気刺激が脳機能に及ぼす影響-電気・磁気・光技術の応用-

研究課題

研究課題/領域番号 24650335
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関新潟医療福祉大学

研究代表者

山本 智章  新潟医療福祉大学, その他部局等, その他 (30445902)

研究分担者 大西 秀明  新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (90339953)
田巻 弘之  新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (40253926)
桐本 光  新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (40406260)
椿 淳裕  新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (50410262)
鈴木 誠  新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (80554302)
佐藤 大輔  新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (60544393)
山代 幸哉  新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (20570782)
菅原 和広  新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (10571664)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード経頭蓋直流電流刺激 / 経頭蓋磁気刺激 / 運動誘発電位 / tDCS / TMS / MEP
研究概要

健常者を対象にして経頭蓋直流電流刺激(tDCS)による皮質興奮性の増加(または減少)を誘導するための最適刺激方法を検討した.その結果,一次運動野の興奮性を増大させるためには,陽極電極を一次運動野直上に設置し,陰極電極を対側一次運動野に設置する方法が最適であった.一般的に利用されている陰極電極を前額部に設置する方法では,tDCS後に運動誘発電位(MEP)が増大するものの被験者による変動が大きく,安定した結果を得ることができなかった.また,刺激強度の影響についても検討も行い,健常成人を対象とした場合,一般的に使われている1mAの強度よりも2mAが安定した結果をもたらすことが明らかになった(第42回臨床神経生理学会,2012).
次に,一次運動野への陽極tDCS介入中に軽微な随意運動または他動運動を行うことにより,一次運動野の興奮性をさらに増大させることができるか否かを検証した.その結果,予想に反して,一次運動野への陽極tDCSと軽微な随意運動を組み合わせた場合,介入直後のMEPは減弱し,陽極tDCSによる皮質興奮性の増大効果が認められないことが明らかになった.さらに,陽極tDCSと他動運動を組み合わせた際にも,tDCSの効果を減弱させることが判明した.
また,一次運動野への陽極tDCSが体性感覚誘発磁場に与える影響についても検討した.左一次運動野への陽極tDCSを20分間実施する前後に右正中神経刺激による体性感覚誘発磁場を計測した.その結果,運動野への陽極tDCS後には,体性感覚誘発磁界成分のうち,刺激後35ms(P35m)と60ms(P60m)の成分が有意に減弱することが明らかになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)tDCSの最適刺激方法の検討:健常者を対象にして経頭蓋直流電流刺激(tDCS)による皮質興奮性の増加(または減少)を誘導するための最適刺激方法を検討した.その結果,一次運動野の興奮性を増大させるためには,陽極電極を一次運動野直上に設置し,陰極電極を対側一次運動野に設置する方法が最適であった.一般的に利用されている陰極電極を前額部に設置する方法では,tDCS後に運動誘発電位(MEP)が増大するものの被験者による変動が大きく,安定した結果を得ることができなかった.また,刺激強度の影響についても検討も行い,健常成人を対象とした場合,一般的に使われている1mAの強度よりも2mAが安定した結果をもたらすことが明らかになった(第42回臨床神経生理学会,2012).
(2)tDCSと随意運動・他動運動の併用効果の検討:一次運動野への陽極tDCS介入中に軽微な随意運動または他動運動を行うことにより,一次運動野の興奮性をさらに増大させることができるか否かを検証した.その結果,予想に反して,一次運動野への陽極tDCSと軽微な随意運動を組み合わせた場合,介入直後のMEPは減弱し,陽極tDCSによる皮質興奮性の増大効果が認められないことが明らかになった.さらに,陽極tDCSと他動運動を組み合わせた際にも,tDCSの効果を減弱させることが判明した.
(3)tDCSの効果を体性感覚誘発磁界を利用して検証:一次運動野への陽極tDCSが体性感覚誘発磁場に与える影響についても検討した.左一次運動野への陽極tDCSを20分間実施する前後に右正中神経刺激による体性感覚誘発磁場を計測した.その結果,運動野への陽極tDCS後には,体性感覚誘発磁界成分のうち,刺激後35ms(P35m)と60ms(P60m)の成分が有意に減弱することが明らかになった.

今後の研究の推進方策

前述したように,tDCSを利用した最適刺激方法を検討し,その効果を単発磁気刺激によるMEPや,電気刺激による体性感覚誘発磁界の側面から検証した.今年度は,二連発時刺激を利用して,tDCSが皮質内ネットワークに及ぼす影響を検討する.さらに,脊髄レベルでの興奮性への変動を確認するために,F波やH波を利用した研究も実施する.また,随意運動時に誘発される運動誘発磁界(電位)の変動についても検証する.

次年度の研究費の使用計画

実験を継続するための被験者謝金や,論文投稿用の英文校正費,学会発表時の旅費,実験に必要な少額消耗品等の購入に使用する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 経頭蓋直流電気刺激が皮質運動野興奮性に及ぼす影響-電極貼付部位と電流強度の影響-2012

    • 著者名/発表者名
      宮口翔太,大西秀明,小島 翔,菅原和広,桐本 光,田巻弘之,山本智章.
    • 学会等名
      第42回日本臨床神経生理学会学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121108-20121110

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公開日: 2014-07-24  

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