本研究では,呼吸と呼吸性不整脈間の位相シンクロ度(λ)を用いた無拘束ストレス評価システムを開発し,日常生活の様々な場面でストレス度を計測することで個人のヘルスケアに寄与することを目的とした。まず心電図のみからλを推定可能か検討した。次に運動と食事中のλと呼吸循環系指標および自律神経指標との関連性を解析した。心電図の振幅変調から呼吸リズムを推定しλを推定したところ,呼吸数が20bpmまでは10%以内の誤差で推定可能であった。運動時は換気閾値まではλは変化しないことが明らかとなった。また,食事中は心拍数と心拍出量の増加が観察されλが低下した。λは自律神経活動の指標であるLF/HFと逆相関した。
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