研究課題/領域番号 |
24650346
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 敏明 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教授 (40248670)
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研究分担者 |
中島 康博 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 産業技術研究本部工業試験場, 研究員 (10469710)
泉 隆 東海大学, 国際文化学部, 教授 (80193374)
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キーワード | 健康・福祉工学 / リハビリテーション / 立位バランス検査・訓練 / 感覚検査 / 高齢者・障がい者 |
研究概要 |
本年度は、足関節固有感覚(運動覚・位置覚)検査装置の製作を実施した。機能として、内外反・底背屈2軸の足関節固有感覚検査が可能である。左右の足を角度が固定された台と、モータで角度可変な台にのせて台を駆動し、被験者が両台が同角度となったと感じたときにボタンで台を停止する。このときの両底板の角度の差を計測することで、足関節感覚を評価する。本装置の仕様としては、最大角度 45度、最大角速度22.5度/秒、角速度設定0.1度/秒である。本機器を用いて、高齢者5名、スポーツ熟練若年者5名、スポーツ非熟練若年者5名を測定した。手順は、手動側の足底板をあらかじめ設定した傾斜角度で固定し、電動側は水平とした後、被験者は利き足が電動板側になるよう立位をとった。次に、電動側足底板を設定した角速度で傾斜させ、被験者は非利き足の角度と同じ角度となったと感じた時点で手元のボタンを押すことによって足底板を停止させるよう指示した。なお、足関節の運動方向は背屈、底屈、外返し(外反)、内返し(内反)の4種類とした。足関節背屈は5度、10度の2条件、底屈は5度、10度、15度の3条件、外反は5度、10度の2条件、内反は5度、10度、15度の3条件とし、角速度は2種類とした。分析として、目標角度となる非利き足の傾斜角を設定角度、被験者が停止させた角度を停止角度とし、その誤差(設定角度-停止角度)をパラメータとした。この誤差を3群(高齢者、スポーツ非熟練若年者、スポーツ熟練若年者)間の比較分析した。結果として、各角度項目においてスポーツ若年者、非スポーツ若年者、高齢者の順で誤差が大きくなる傾向が現れた。また、3群ともに角速度が1 度/secでの計測値は2 度/secよりも、誤差が大となる傾向を示した。このことから、被験者の足関節感覚が年齢や運動履歴による影響が示唆された。本装置により、バランス感覚の一部である足関節感覚が測定可能となった。
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