研究課題/領域番号 |
24650353
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
夏目 季代久 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 教授 (30231492)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 脳波 / ブレインコンピュータインターフェース / default脳波 / ロボット制御 / α波 / β波 / サービスロボット / 福祉工学 |
研究概要 |
左右に関する動作イメージを頭に思い描くだけでサービスロボットを制御する研究が現在進んでいる。動作イメージを浮かべている時の脳波を判別プログラムが判別し制御する。しかし従来法では動作イメージが直感的で無く、また判別プログラムが結果を出しやすいような脳波を人間が学習しなくてはいけない。従って使用者にとって負担であり実用からほど遠い。本課題で提案する「Robots Move As You Think System」(RMAYTS;R メイツ)を用いれば、ユーザーのある時の脳波を測定すると、その時どのような左右動作イメージが一番効率良く左右どちらかをイメージしているか判定可能になる。使用者への負担が少なく安定した判別が可能なので脳波判別サービスロボット制御に使え、今後の人間とサービスロボットとのコミュニケーションツールとして威力を発揮するものと予想される。 実際には、被験者毎のdefault脳波を測定し、default脳波毎に、左右判別のために用いる最適な動作イメージ・脳波測定部位の組が決まるかどうかを検討する。まず本年度は被験者のdefault脳波として開眼平静時、閉眼平静時どちらの脳波が適当かを検討した。国際10-20 法に従い頭皮上8チャネルの電極を装着し脳波測定した。 各被験者のdefault脳波をスペクトル解析した結果は揺らいでいたが、6ヶ月経っても安定していた。それに対して被験者が異なると、被験者で揺らぐレベルより大きく異なるスペクトル解析結果であった。タスクにおける左右判別脳波と相関のある開眼平静時、閉眼平静時の脳波周波数及びチャネルを探した所、閉眼平静時より開眼平静時の脳波の方が多かった。この結果より左右判別脳波に関係しているdefault脳波としては開眼平静時脳波が適当であると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳波を用いたロボット制御システムの「Robots Move As You Think System」(RMAYTS;R メイツ)の基本的な部分である、default脳波に関して、どのような状態での脳波が適当であるか明らかにされていなかった。その部分を今回明らかにしたので、(2)と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
脳波を用いたロボット制御システムの「Robots Move As You Think System」(RMAYTS;R メイツ)の開発を進めるために、被験者の刺激の提示時間を「飽き」脳波を測定することで明らかにし、また今年度は、脳波の刺激誘発脱同期現象でロボット制御を行おうとしているが、その他に、P300、定常状態視覚刺激誘発電位(SSVEP)を用いたRメイツの開発を平行して行う予定である。 またドライ電極の開発、脳波テレメータシステムの開発も今後平行して行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は本年度研究経費と合わせて物品費、ドライ電極開発費、脳波テレメータシステム開発費として使用する予定である。
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