研究課題/領域番号 |
24650355
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
國武 孝人 宮崎大学, 医学部, 助教 (20234461)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | シングルユニット / 自由行動下 / 慢性記録 / ブレインマシンインターフェース / 完全皮下埋め込み型 / 遠隔操作 |
研究概要 |
現在までに、ヒトでのブレインマシンインターフェースへの応用を視野に入れ、8本のマイクロワイヤを脳実質に刺入し、個別に出し入れ可能にするマイクロドライブを考案し、その試作品を作成中である。 特許の出願を予定しているので詳細を説明することはできないが、アクチュエータに原因があり精度が不足していることが判明した。 8本の電極に対して、それぞれ個別のアクチュエータを構成しているが、駆出できるものとできないものが出現した。 また駆出できるものでも、その一回操作における駆出量がアクチュエータ間で異なってしまった。 アクチュエータに用いる材料が長さ数ミリメータのもので、これを顕微鏡下にスケールと比較しながら手動の工具を用いて切断していた。 それに 0.2 mm 内外の誤差を生じてしまうために、駆出量の精度が維持できない責任の大部分はここにあると判断した。 これを解決するために、材料の長さを一定量ずつ繰り出す事を可能としたモーター駆動装置を作成し、それを正確な位置で切断するために空気圧による切断装置を電磁バルブの開閉で操作する。 それぞれを簡単なマイクロプロセッサにより連携して制御することで正確なサイズの材料を準備できるようにした。 これにより材料の誤差を 0.1 mm 以下にすることができた。 現在これらを用いて精度の検証を行おうとしている。 そのためにアクチュエータに駆動開始の信号を送った後、どのような時間経過で変位するかを定量するシステムを構築するために、差動トランスとそのアンプを購入した。 これをアクチュエータを装着したマイクロドライブに直接固定できるようにして精度を評価しようとしている最中である。 平成25年度中に特許を出願する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初に考案したアクチュエータを配置するマイクロドライブの構造自体は独自の方法により製作する事が可能であること確認した。 その内部に配置するアクチュエータは、それを構成する材料の微細加工が想定した以上の難易度であったために遅れを生じている。 しかしながら期待したサイズに加工できたもののみを利用した場合、考案時に想定した精度でマイクロワイヤが駆動できることを確認できた。 そのため達成度としては十分であると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
アクチュエータに用いる材料のサイズを正確に合わせることで、駆出量がそれぞれの電極間で大きく違わないようにできる事を確認したい。 その上で実際に動物に移植して、その駆出量の精度が保たれているかを検証したい。 また出し入れの操作一回につきマイクロワイヤが移動する距離はアクチュエータを立体的に配置する位置関係により決定されるので、その最適値を実際の動物で検証を行いながら検討したい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
基本的には、実際の検証に用いる動物の購入と移植手術に必要な材料などの購入に用いる予定である。 一方、現在構築中のアクチュエータの精度を評価するための差動トランスを用いたシステムを完成させるために必要な材料も購入する必要があると考えている。
|