現在までに、ヒトでブレイン・マシン・インターフェースへの応用を視野に入れ、8本のマイクロワイアを脳実質に刺入し、それぞれのワイヤを個別に出し入れ可能とするマイクロドライブを考案し、その試作を行っている。 特許出願を予定しているので詳細を説明することができないがワイヤを駆動するアクチュエータとその制御に問題があり、再現性を確立できていない。 昨年度はアクチュエータに用いる材料を手動工具で切断したために生じていた全長の誤差を解消するために任意の全長を設定し自動的に切断を行うロボットシステムを構築した。 本年度はその誤差のない材料を用いたにも関わらず生じてしまうワイヤ駆出量における誤差の原因を追求した。 そのためにアクチュエータの駆動する制御に着目した。 信号をアクチュエータに送った後の実際の変位量を十分な時間分解能で計測するために、差動トランスを用いて100マイクロ秒毎の長さを計測できるシステムを開発し、応答の潜時と応答特性を求めた。 その結果判明したことは駆動開始信号と終了信号を送出する時間間隔が想定以上にクリティカルであり、またアクチュエータ周囲の温度に依存して応答に差異を生じていた。 またワイヤ1本につき複数のアクチュエータを用いる場合にはそれぞれに送出する駆動開始信号と終了信号の相互間のタイミングパターンを、厳密に決定するための重要なデータが得られた。 これらの情報をもとにして、現在アクチュエータを正確に制御し正確なストローク量を得られるように最終的な調整を行っている最中である。 平成25年度中に特許出願を行う予定である。
|