研究課題/領域番号 |
24650357
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
吉村 允孝 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60026325)
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研究分担者 |
宮下 朋之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20329080)
小林 洋 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (50424817)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ウェアラブルロボット / バイオミメティクス |
研究概要 |
本研究では,高齢者の仕事・日常生活を支援するために,生物の筋肉の機能や構造,情報伝達方法を模倣したアクチュエータと制御手法の構築により,従来研究されてきた外骨格ロボットでは成しえなかった,柔軟性と安定制御による高出力を両立させることが可能な「外筋型ウェアラブルロボット」の実現を目指す. 形状記憶合金を用いた多数の細径直動アクチュエータを直列・並列接続することにより,生物の筋肉のように柔軟かつ高出力のハードウェアを構成する.多数のアクチュエータを協調制御するために,生物の筋肉の制御に使用されていると考えられている確立共鳴現象を利用し,個々のアクチュエータ特性のばらつきの影響を受けにくく安定した制御手法を構築する. 本年度は,外筋型ウェアラブルロボットの試作機を構築するために次の要求仕様を実験により導出した. (1)外筋型ウェアラブルロボットが高齢者の仕事・日常生活を支援するために必要な最大動作支援量 (2)リアルタイムで計測する動作から動作支援量を推定するまでにかかる計算時間とアクチュエータで動作支援に必要な出力を生み出すまでにかかる制御時間の合計が許容される最大時間 平地歩行から昇降動作に移る際にロボットによる支援が必要となる動作と支援が必要とならない動作の2動作を比較する実験系を構築し,2動作の差から上記の要求仕様を導出した. 次年度は,この要求仕様をもとに細径直動アクチュエータの接続数・位置を設計し,確立共鳴現象を用いた協調制御アルゴリズムを構築する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画では,本年度中に外筋型ウェアラブルロボットの試作機を製作する予定であったが,実際の実施状況は試作機を製作するための要求仕様の導出に止まった.しかし,提案する外筋型ウェアラブルロボットの製作にあたり重要な要求仕様を導出することができたため,次年度の研究計画は当初の研究計画以上にスムーズに実行されると期待される.したがって,おおむね順調に進展していると評価する.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,本年度で導出した外筋型ウェアラブルロボットの要求仕様をもとに細径直動アクチュエータの接続数・位置の最適化設計を行い,試作機を製作する.また,確立共鳴現象を用いた協調制御アルゴリズムを構築する. 次年度の研究推進における問題点として,細径直動アクチュエータの接続数・位置に関する設計結果と確立共鳴現象を用いた協調制御による出力結果を統合し最適化設計を行うことが可能な開発環境が必要となる点が挙げられる.解決策として,市販の最適化設計ソフトウェアと本研究で構築する制御プログラムの統合を考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は,本年度中着手できなかった外筋型ウェアラブルロボットの試作機の製作に使用する.外筋型ウェアラブルロボットの構成要素である形状記憶合金製の細径直動アクチュエータと実験機器制御用コンピュータの購入,およびアクチュエータの設計に使用する最適化設計ソフトウェアの購入に使用する.
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